- インドのプライベート・エクイティ(“PE”)市場における流動性の問題
プライベート・エクイティ・ファンドは、通常10年から12年の存続期間を有する集合投資ビークルとして運営されます。リミテッド・パートナー(Limited Partner “LP”)は、ゼネラル・パートナー(General Partner “GP”)による投資運用のために、あらかじめ資本をコミットします。GPは投資期間中に資本を運用し、その後の価値創造フェーズにおいてポートフォリオ企業を積極的に管理し、イグジットを通じて収益化を図ります。この仕組みにより、LPがファンドの予定満期前に途中で引き上げる場合は、投資元本やリターンの一部を犠牲にせざるを得ません。
さらに、インドのPEセクターは流動性危機の深刻化に直面しており、イグジット件数の急減や投資保有期間の長期化がその顕著な例として挙げられます。2025年には、イグジット件数が2024年比で約19%、イグジット金額も約18%それぞれ減少しました。[1]
新規株式公開(IPO)や合併・買収(M&A)といった主要なイグジット手段の減少により、成熟期にあるファンドでは資本が固定化される傾向が一層強まっています。この状況を受け、GPsは、LPへの分配要求に応えつつ優良資産を維持するため、LP主導のセカンダリ―売却やGP主導のコンティニュエーション・ビークル(Continuation Vehicles “CV”)など、セカンダリー市場を活用した流動性確保策を採らざるを得なくなっています。[2]
- セカンダリー取引の概要
- 1. LP主導のセカンダリー取引
LP主導のセカンダリー取引とは、LPが保有するひとつまたは複数のプライベート・エクイティ・ファンドへの投資持分を、当該ファンドの予定満期前に他の投資家に売却する取引です。これらの取引は相対取引であり、事前にGPの承認を得る必要があります。買主は、売却するLPの未履行のキャピタル・コール義務を含む、すべての権利および義務を引き継ぎます。
| 図解1:LP主導のセカンダリー取引 設定: ファンド:ABC Growth Fund IIは、2017年に設立されたカテゴリーII型AIFで、期間は10年。 LP:国内の保険会社がABC Growth Fund IIに2億ルピーを出資。 【状況(SITUATION)】 当該LPは規制上の自己資本比率維持の圧力に直面しており、流動性の低いプライベート・エクイティへの投資を削減する必要がありました。そのため、セカンダリー・ファンドに対してFund IIの持分全体を売却する相談を行いました。 【取引(TRANSACTION)】 セカンダリー買主のTRCが、ABC Growth Fund IIのLP持分の購入に合意。 【結果(OUTCOME)】 LP:売却代金を受領し、ファンドから退出。 TRC:売却代金を支払い、新たなLPとして参加。以後のキャピタル・コールに応じ、Fund IIの投資回収に伴う将来の分配をすべて受領。 GP:ファンドには変更なし。単にLPが入れ替わるだけ。 |
- 2. GP主導のセカンダリー取引とコンティニュエーション・ビークル
GP主導のセカンダリー取引では、GPが積極的に取引を組成します。通常、既存ファンド(単一スキームの場合はファンド全体、複数スキームの場合は該当するスキーム、以下「売却ファンド」)からひとつまたは複数のポートフォリオ資産を、同じGPが管理する新たなビークル(CVなど)に移転する形で行われます。この新規ビークルへの資産売却は、CVの投資家によるキャピタル・コミットメントによって資金調達されます。投資家には、新規のセカンダリー買主のほか、売却ファンドから新CVへ持分を「ロールオーバー」することを選択した既存LPも含まれる場合があります。売却代金は、ファンド文書に定められたウォーターフォール条項の規定に従って分配されます。まず未払いのファンド費用や負債の弁済に充てられ、その後、売却ファンドから退出を希望したLPに分配されます。
CVは一般に、単一資産型(ChrysCapitalのNSE案件など)と複数資産型のポートフォリオの2つの形態があります。後者の例として、Multiples Alternate Asset ManagementがVastu Housing Finance、APAC Financial Services、およびQuantiphiをひとつのCVにまとめています。[3]
図表:
| 単一資産型コンティニュエーション・ビークル(Single-Asset CV) | 複数資産型コンティニュエーション・ビークル (Multi-Asset CV) |
| 設定 (SETUP) | |
| ファンド:XYZ Capital Fund III(カテゴリーII型AIF、2015年ヴィンテージ、現在10年目) 資産:大手フィンテック企業ZZZPayの22%の持分(Fund III帳簿価額:18億ルピー) 状況:ZZZPayのIPOは18〜24か月以内が見込まれるが、Fund IIIは満期到来に伴い、IPO前に解散する必要がある。 | ファンド:Alpha Growth Partners Fund II(カテゴリーII型AIF、2016年ヴィンテージ、現在10年目) 資産:高パフォーマンスの3つのトロフィー資産 LogiLink:テクノロジー活用型物流会社(持分15%、評価額7億ルピー)HealthSphere:デジタルクリニックチェーン(持分20%、評価額9億ルピー)EcoWatt:再生可能エネルギー・プラットフォーム(持分12%、評価額6億ルピー) 総ポートフォリオ価値:22億ルピー 状況:各資産は高成長フェーズに入っているが、Fund IIは10年の法定存続期間の満了を迎えている。GPは、プレミアム価格でのエグジットを実現するためには、更に3〜4年が必要であると判断している。 |
| 問題点 | |
| プレミアムの逸失:GPが現時点でZZZPayを売却した場合、価値は回収できるものの、IPOプレミアムを享受する機会を失うことになる LP間の利害相違:既存LPはロックインされており、早期の流動性を求めている。 | 強制的な資産売却:ファンド解散のために現時点でポートフォリオを売却した場合、二束三文での売却や競合他社への売却を余儀なくされ、将来的な複利効果を大幅に失うことになる。 LP間の利害相違:一部のLPはステークホルダーへの資本還元を迫られている一方、他のLPは引き続きこれらの有望な投資案件に投資したいと考えている。 |
| 解決策:コンティニュエーション・ビークル | |
| ステップ1:GPは、当該資産を保有するための新たなAIFとして、XYZ Capital CV-Iを設立する。 ステップ2:CV-IがFund IIIからZZZPayの持分を18億ルピーで取得する。 ステップ3:既存のFund III LPに対して以下の選択肢が提供される。 キャッシュアウト:CV-Iによる取得対価から按分した金額を受領 または ロールオーバー:同一評価額でFund IIIからCV-Iに持分を移転 ステップ4:新規のセカンダリー投資家(Hamilton Lane、HarbourVest等)がCV-Iに投資し、取得資金の提供および新規資本を投入する。 | ステップ1:GPは、これら3つの資産を保有するための新たなビークルとして、Alpha Continuation Fund I (ACF-I)を設立する。 ステップ2:ACF-IがFund ⅡからLogiLink、HealthSphere、EcoWattの持分を総額22億ルピーで取得する。 ステップ3:既存のFund Ⅱ LPに対して「ステータス・クオー(現状維持)」の選択肢が提供される。 キャッシュアウト:総額22億ルピーから自分の按分分を即時受領 または ロールオーバー:持分をACF-Ⅰに移転し、3つの資産へのエクスポージャーを維持したままタイムラインをリセット ステップ4:新規セカンダリ―投資家がビークルの支柱となり、キャッシュアウトを希望するLPへの支払い資金および新規フォローオン資本を提供する。 |
| 結果 | |
| キャッシュアウトを選択したLP:10年の保有期間を経て流動性を獲得。 ロールオーバーを選択したLP:IPOまで引き続き保有を継続。 新規セカンダリー投資家:合意された評価額で、既知かつリスクが低減された資産への投資機会を獲得。 GP:最優秀パフォーマンスの企業の運用を継続し、長期的なLPとの利益一致を図るとともに、将来の資産価値上昇に対するキャリーを獲得。 | キャッシュアウトを選択したLP:10年の保有期間を経て、クリーンな出口と即時の流動性を獲得。 ロールオーバーを選択したLP:すでに知っていて信頼してる資産の上昇を引き続き享受。 新規セカンダリー投資家:ブラインド・プールではなく、すでに評価が確定しリスクが低減された多様化ポートフォリオに即時アクセス。 GP:最優秀パフォーマンスの企業の運用を継続し、長期的なLPとの利益一致を図るとともに、将来の資産価値上昇に対するキャリーを獲得 |
- インドのセカンダリー市場の現状:
インドのPEセカンダリー市場は、現在急速に拡大しています。この加速的な成長は、主に3つの構造的要因によって支えられています。
第一に、記録的な資本投下が続いた時期に蓄積された、成熟化しつつある未実現のPEおよびベンチャーキャピタル投資の大規模な未解消残高(オーバーハング)が存在します。この国内の積み残しは、2025年のグローバル・セカンダリー市場の取引総額が2,400億米ドルという過去最高水準に達し(前年比48%増)、世界的なマクロ経済的トレンドと軌を一にしています。[4] 第二に、インドにおける極めて堅調な株式市場の環境が、明確な評価指標の基準を確立しています。
https://www.secondariesinvestor.com/india-gp-led-growth-buoyed-by-strong-public-markets-foreign-interest/第三に、セカンダリー取引はもはや「苦境に立たされた際のバルブ」として捉えられるものではありません。インドのファンド・マネージャーは、優良資産の価値を維持し、複利的に成長させることを目的として、積極的に複雑なCVを組成しています。現在、インドはGP主導の取引においてエマージング・マーケットで第2位にランクされており、2020年から2025年上半期までに完了したCVの件数の21%を占めています。[5]
インドにおける主要なセカンダリー・ファンドおよびコンティニュエーション・ビークル:
| Sr. No. | セカンダリー・ファンドおよびコンティニュエーション・ビークル |
| 1. | Eastgate Secondaries Fund |
| 2. | Ambit Arcadia Secondaries Fund |
| 3. | Neo Secondaries Fund |
| 4. | 360 One Secondaries Fund |
| 5. | White Whale Secondaries Fund |
| 6. | PixelSky Capital Secondaries Fund |
| 8. | Sauce Continuity Fund I |
| 9. | Kedaara Continuation Fund |
| 10. | Multiples PE Continuation Fund |
| 11. | ChrysCapital Continuation Fund |
| 12. | Samara Continuation Fund |
- インドにおけるGP主導のセカンダリー取引の先例 — ChrysCapital Continuation Fund
| ファンド名 | ChrysCapital Continuation Fund |
| 取引形態 | 単一資産型GP主導コンティニュエーション・ビークル |
| クロージング日 | 2024年4月30日 |
| 規模 | 7億米ドル(超過申込) |
| GP・運用会社 | ChrysCapital(インド最大の国内系PEファーム) |
| 資産 | インド国立証券取引所(NSE)株式の約3.93%の持分 |
| 売却ファンド | ChrysCapital Fund VI(関連会社Veracity Investments Limitedを通じて運用。NSEへの当初投資は2016年7月) |
| リミテッド・パートナー | HarbourVest Partners、LGT Capital Partners、Pantheon Ventures(その他を含む) |
| 重要性 | インド最大の単一資産型CV;アジア太平洋地域においても最大規模の部類 |
2024年4月、ChrysCapitalは7億米ドルを調達し、2016年7月に投資を行ったChrysCapital Fund VIから、インド国立証券取引所(National Stock Exchange “NSE” )の約3.93%持分を取得する、インド最大の単一資産型コンティニュエーション・ビークルを設立しました。[6] 本取引には、HarbourVest Partners、LGT Capital Partners、Pantheon Venturesが主要投資家として参加し、Fund VIのLPは6倍のマルチプルを獲得しつつ、ChrysCapitalはNSEへの長期的なエクスポージャーを維持することに成功しました。[7] さらに、2025年9月時点でCV保有持分の評価額は約20億米ドルに上昇し、18か月で約3倍の未実現リターンを達成するなど、顕著な成果を上げています。[8]
この歴史的な取引の成功は、いくつかの構造的および資産固有の価値創出要因によって支えられました。取引の中心は基礎となる資産そのものでした。すなわち、NSEはほぼ独占的な取引所として運営されており、高い参入障壁、堅固な財務基盤、そしてほぼ確実なIPOストーリーを備えていました。この卓越した資産品質とIPOのオプション性が旺盛な投資家需要を喚起し、セカンダリー買主は最小限のディスカウントまたはディスカウントなしで、純資産価値(Net Asset Value “NAV”)水準もしくはそれに近い価格で引き受けることができました。さらに、ChrysCapitalが投資の運用管理権を維持したことにより、強固なGPアラインメントが保たれ、価値創造戦略の継続性が確保されました。CVはLPにとって重要かつクリーンなイグジットの選択肢を提供し、LPの分配報告および将来の資金調達活動を円滑に進めることを可能にしました。こうした好循環が結実し、本取引は最終的に超過申込(オーバーサブスクライブ)となり、高品質なインド資産に対するセカンダリー市場の深い需要を示す明確な指標となりました。
ChrysCapital案件がインドPEに与える示唆:
- 取引モデルの実証:インドのセカンダリー市場が、大規模かつ機関投資家主導のCV取引を支えることが可能であることが実証されました。
- CVの標準化:本取引により、他のインドGPがCVを組成する際の心理的障壁が取り除かれ、現在複数のCVがパイプラインに存在しています。
- 資産品質プレミアム:高品質かつIPO直前の資産は、不良資産売却とは異なり、インドのセカンダリー市場においてパー近傍(またはディスカウントなし)の価格で取引されることが確認されました。
- LPの洗練度:インドのLPがロールオーバーとキャッシュアウトの選択を評価・判断できる能力と意欲を持つことが示され、市場の成熟度を裏付けています。
- 適用法令および規制の概要
- 1. インド証券取引委員会(SEBI)規制:
インド証券取引委員会(Securities and Exchange Board of India “SEBI”)は、インドにおけるオルタナティブ投資ファンド(Alternative Investment Funds “AIFs”)の運営を規制・監督しています。AIFは、2012年のSEBI(AIF)規則[SEBI (AIF) Regulations, 2012 “AIF Regulations”]に従い、インド国内で登録することが義務付けられています。AIFは、カテゴリーI、カテゴリーIIまたはカテゴリーIIIのいずれかに登録されます。
インドにおけるセカンダリー取引は、ほぼ例外なくカテゴリーII型AIF(プライベート・エクイティ/ベンチャーキャピタル・ファンド)が関与し、より限定的にカテゴリーI型AIF(インフラ/社会的ベンチャー・ファンド)が関与します。セカンダリー取引を規律する主要な規制条項は、以下のとおりです。
- 登録要件:インドにはCVに関する特定のAIF規制の枠組みが存在しないため、CVを通じて実施されるGP主導のセカンダリー取引では、当該ビークルを新規ファンドとして設立し、新たにAIF登録を取得するか、あるいは新規スキームを設立することが求められる。
- 分散投資基準:規則第15条第1項(c)では、カテゴリーIおよびIIのAIFが、直接投資または他のAIFのユニットを通じて、投資可能資金の25%を超えて単一の投資先企業に投資することを禁止する。なお、ラージ・バリュー・ファンドには緩和措置が設けられており、投資可能資金の最大50%まで単一の投資先企業に投資することが可能である。
- 資産の移転:CV(新規ファンド、または同一ファンドの新規スキームとして登録)は、通常、売却ファンドと同じマネージャー・スポンサー、もしくはその系列会社によって運用・スポンサードされる。この場合、売却ファンドの関連会社であるCVへの資産移転には、投資額に応じた少なくとも75%の投資家の承認が必要となる。したがって、規則第15条第1項(ea)は、共通管理下のファンドやスキーム間での資産移転における重要な規制上のハードルとなる。さらに、売却ファンドのコーパスの50%以上を保有し、かつCVの買主でもある投資家は議決権行使から除外される。この措置は、GP主導のセカンダリー取引における利益相反を防ぐ重要な保護手段として機能する。
- 新規スキームとしてのコンティニュエーション・ビークル:CVが新規ファンドではなく、既存AIFの傘下に新規スキームとして組成される場合、当該スキームは独自の最低コーパスを有し、独自のPPM(私募目論見書)を作成し、分離された銀行口座および資産を維持することが求められる。
- 利益相反:SEBIは、GP主導のセカンダリーにおいて同一のGPが売却ファンドとCVの双方に関与する場合に生じる利益相反の管理について、GPに対して厳しい義務を課している。独立したLPアドバイザリー委員会(LPAC)によるレビューおよび、できれば独立した取引アドバイザー(投資銀行)の関与が、GP主導の取引における市場慣行(マーケット・スタンダード)となる。
- バリュエーション:SEBIは、標準化された手法を用いて公正価値でAIF投資を評価することを義務付けている。CVが売却ファンドから資産を取得する際のNAVは、合理的に説明可能であり、独立した検証を経たものでなければならない。
- 2. インド競争委員会(CCI)
セカンダリー取引の進化に伴い、大規模なCV取引では、最終的なコントロールが同一スポンサー・グループ内にとどまる場合であっても、企業結合審査の基準を形式的に満たし、CCIへの届出が必要となる可能性があります。この点に関し、Kedaara II Continuation Fund(Kedaara CV)に関するCCIの2025年命令が、重要な先例となっています。
本件において、Kedaaraグループに属するKedaara Norfolk Holdings LimitedおよびKedaara Capital Fund II LLP[総称して「ビンテージ・ビークル(Vintage Vehicles)」]は、ファンドの存続期間が間もなく終了することを受け、Lenskart Solutions LimitedおよびCare Health Insurance Limitedにおける各自の株式持分をKedaara CVに移転することを提案しました。
CCIは、2024年競争(企業結合の免除基準)規則[Competition (Criteria of Exemption of Combinations) Rules, 2024、「免除規則(Examption Rules)」]第3条に基づき、かかる移転を免除対象と認定し、コントロールの変更や新たな権利の取得がない場合には、CV主導の内部再編は免除規則第3条の適用を受けると判示いたしました。これにより、CCIはCVを活用したGP主導のセカンダリー取引に対する有益なセーフ・ハーバーを確立しました。
- 3. 外国為替管理法(FEMA)およびクロスボーダー・ストラクチャリング
- FEMAの価格要件
外国人投資家(買主または売主として関与する場合を含む)が関わるセカンダリー取引は、1999年外国為替管理法(Foreign Exchange Management Act, 1999 “FEMA”)および2019年外国為替管理(非債務性証券)規則(NDI規則)[Foreign Exchange Management (Non Debt – Instruments) Rules, 2019 “NDI Rules”]に従って規律されます。NDI規則に基づく公正価値での価格設定義務が最も重要であり、基本原則として、インド居住者が非居住者に株式またはユニットを売却する場合、売買価格はFEMAで定められた公正価値を下回ってはならず、逆に非居住者がインド居住者に株式またはユニットを売却する場合は、公正価値を上回ってはなりません。この仕組みは「フロア・シーリング」と呼ばれ、売買双方の価格が適正に管理されることを保証します。
- CVの価格付けへの影響:外国が所有するCVが国内ファンドから資産を取得する場合、または外国のセカンダリー買主がCVに投資する場合、居住者が売却する際の取引価格はFEMAで定められた公正価値以上である必要がある。
- 外国人が所有・支配するAIF(Foreign-Owned and Controlled AIF):NDI規則によれば、スポンサー、マネージャーまたは投資マネージャーがインド居住者によって所有・支配されていない場合、あるいはインド国外の居住者によって所有・支配されている場合、当該AIFは「外国人が所有・支配するAIF」に分類される。この分類は、当該AIFが行うすべてのポートフォリオ投資において、FDI(外国直接投資)ルートでの価格付けおよびセクター別上限規制の遵守が求められることを示し、極めて重要な意味を持つ。
- FEMAに基づく報告義務:AIFへの、またはAIFからのすべてのクロスボーダー投資は、所定の期限内(通常は割当/移転から30日以内)にFIRMSポータルを通じてインド準備銀行(RBI)に報告する必要がある。
- プレス・ノート3(PN3)/陸上国境規則:陸地国境を接する国[中国、パキスタン、バングラデシュ、ネパール、ブータン、ミャンマー、アフガニスタン(LBC)]の受益所有者を有するAIFがインドのポートフォリオ企業への川下投資を行う場合、当該投資はPN3の審査対象となる。当該投資を受けるポートフォリオ企業は、AIFの受益所有者がLBCに帰属する場合、必要に応じて事前の政府承認を取得することが求められる。
- Gujarat International Finance Tec-City シティ(GIFT City)を活用した構造上の代替手段
国際的なGPおよびセカンダリー投資家にとって、GIFTシティ(国際金融サービスセンターとして規制される“GIFT IFSC”)は、国内AIF構造と比較して、有意義な優位性を提供する可能性があります。
- 税中立的な移転:既存の外国ファンドからGIFT IFSCファンドへの持分移転は、キャピタルゲイン課税上、課税対象となる移転として扱われない。これらの優遇措置のサンセット条項は、2030年3月31日まで延長されている。
- AIF規則と比較して、2025年IFSCA資金管理規制(IFSCA FM規制)[IFSCA Fund Management Regulations 2025 “IFSCA FM Regulations”)のもとでは、より大きな構造上の柔軟性が得られる。
- GIFT IFSCに所在地を置くCVの事例:Kedaara II Continuation Fund。
- GIFT IFSCにおけるCVの組成時の主要なFEMA上の考慮事項
- GIFT IFSCに設立されたCVは、FEMAのもとでインド国外居住者として取り扱われる。したがって、インド本土に所在地を置く移転元ファンドから当該CVへの資産移転は、FEMA上の対外移転に該当し、当該移転の前または移転時に、FEMAに基づく海外投資/対外移転に係るコンプライアンスを履行する必要がある。
- 同様に、移転元ファンドがGIFT IFSCに設立され、CVがインド本土に所在地を置く場合、当該ファンドからCVへの資産移転は、インドへのインバウンド外国投資として扱われ、FEMAに基づく適用コンプライアンス(FDI/川下投資規制を含む)を履行する必要がある。
- さらに、インド国外に所在地を置く移転元ファンドからIFSC CVへの資産移転は、FEMA規則のもとで非居住者間の移転として扱われるため、価格制限が適用されない可能性がある。ただし、IFSC CVは所得税法上インドの税務居住者であり、オフショア・ファンドとIFSC CVが関連当事者である場合には、移転価格規定に基づき、独立企業間原則(Arm’s length principles)を満たす取引価格が求められる。
外国法域からGIFT IFSCへのスキーム移転実績
(2025年12月31日現在) [9]
| 移転スキーム数 | 24スキーム |
| 累積コミットメント額 | 138億米ドル |
| 累積調達額 | 74.8億米ドル |
| 累積投資額 | 81.8億米ドル |
- 4. 所得税法(Income Tax Act)
Under 2025年所得税法(Income-tax Act, 2025 “ITA 2025″)[旧:1961年所得税法(Income-tax Act, 1961 “ITA 1961″)第10条23FBA]の第11条とともに読まれる付則V(表:番号1)、ならびにITA 2025第224条(旧:ITA 1961第115UB条)に基づき、カテゴリーIおよびIIのAIFは、ほとんどの収益について「パス・スルー」課税ステータスの恩恵を受けます。この制度では、非事業所得はファンドレベルで課税されず免除され、税負担は投資家に直接帰属し、収益が発生した年度に投資家ごとの按分割合に応じて課税されます。
一方、ファンドが生み出す事業所得は、信託として構成される場合は最大限の限界税率で、会社/LLPとして設立される場合は該当する法人税率でファンドレベルで課税されます。
ファンドがこの税を支払った後、残余の事業所得は付則V(表:番号2)およびITA 2025第11条(旧:ITA 1961第10条23FBB)に基づき、投資家に追加課税されることなく分配されます。
カテゴリーIおよびIIのAIFとは異なり、カテゴリーIII型のAIFは法定のパス・スルー制度の恩恵を受けません。カテゴリーIII型AIFが得るすべての所得はキャピタルゲイン、利息、配当、事業所得のいずれであってもファンドレベルで課税され、投資家への分配が行われる前にファンド自体が全額の税負担を負います。適用される税率はファンドの法的形態によって異なります。
- ファンドが無期限信託として構成される場合、受託者は代表納税者として課税され、所得は通常、最大限の限界税率(現行の無期限信託向けサーチャージ適用下で約42.74%)で課税される。
- ファンドが定期信託として構成される場合、受託者は代表納税者として課税され、各所得の種類はあたかもその所得が直接受益者に帰属したかのように、各受益者の按分持分に応じた税率で課税される。ただし、当該所得に事業の利益・収益が含まれる場合には、全所得が最大限の限界税率で課税される。
- ファンドが会社またはLLPとして設立される場合は、該当する法人税率またはLLP税率が適用される。
ファンドレベルで該当する税金が支払われた後、投資家は税引後の分配を受け、同じ所得について追加課税はありません。
- 4. 1. セカンダリー取引に関する課税 — 枠組み:パス・スルー課税とファンドレベル課税(Entity-Level Taxation)
インドにおけるセカンダリ―取引の課税は、AIFのカテゴリーおよび所得の性質に応じて決まります。
| 項目 | 国内ファンドからIFSC CVへ | 外国ファンドからIFSC CVへ | ||
| 取引形態 | LP主導:LPユニットのみ譲渡 | GP主導:ポートフォリオ資産+ユニット交換 | LP主導のセカンダリ―取引 | GP主導のセカンダリ―取引およびコンティニュエーション・ビークル(Continuation Vehicle) |
| 譲渡対象 | ユニットのみ | ポートフォリオ資産とユニット交換 | LP持分のみ | ポートフォリオ資産とユニット交換 |
| ITA 2025に基づく免除* | 適用なし | 国内ファンドの場合は適用なし | 適用なし | 一定条件のもとで課税中立の取引 |
| ファンドレベル課税 | なし(ファンドレベルの課税イベントなし) | カテゴリーIまたはⅡ型AIFの場合: 証券の譲渡益はパス・スルー課税制度のもとでキャピタルゲインとして扱われ、投資家に帰属するものとみなされ、ITA 2025 第224条(旧:ITA 1961 第115UB条)に基づき課税される 事業所得に該当する譲渡益は、ファンドレベルで適用される税率に基づき課税される カテゴリーⅢ型AIFの場合: 税金はAIFレベルで支払われ、投資家は課税されない インド企業以外のデリバティブ、債権、社債その他の証券から生じるキャピタルゲインは12.5~30%の税率にくわえ、適用されるサーチャージおよびセスが課税される | なし(ファンドレベルの 課税イベントなし) | 資産移転に関して、ファンドレベルでキャピタルゲイン課税は発生しない ITA 2025 第70条第1項(t)[旧:ITA 1961 第47条(viiac)]に基づき免除 |
| LP段階での課税 | 国内AIFのユニットを譲渡した場合、譲渡益はLPに帰属する(下記の「キャピタルゲイン課税」を参照). | ユニット交換部分に伴うキャピタルゲインは、ロールするLPに課税対象となり、LPにおいて適用税率で課税される カテゴリーⅠまたはⅡのAIFにおけるポートフォリオ資産の譲渡に伴うキャピタルゲインは、ITA 2025 第229条(旧:ITA 1961 第115UB条)に基づき、投資家の持分に応じて帰属するカテゴリーⅢのAIFでは、利益はファンドレベルで課税され、投資家への分配には追加で課税されない | 外国ファンドの持分を譲渡した場合のキャピタルゲインは、LPに帰属する. ただし、課税の可否を判断するには、間接譲渡規定の分析が必要である。LPの居住国および適用条約に応じて、二重課税防止協定(Double Taxation Avoidance Agreement “DTAA”)による救済を受けられる場合がある. | ユニット交換時、投資家にはキャピタルゲインは発生しない[ITA 2025第70条第1項(u)、旧ITA 1961 第47条(viiad)に基づき免除] |
| 取得原価および保有期間の継続性 | 継続なし | 継続なし | 継続なし | 完全な継続。GIFT IFSC結果ファンドにおけるポートフォリオ資産の保有期間および、ロールする投資家が保有する当該ファンドのユニットの保有期間には、元の外国ファンドでこれらの資産および持分が保有されていた期間も含まれるものとみなされる. |
* ITA 2025 第70条第1項(t)[旧:ITA 1961 第47条(viiac)]はファンドレベルに適用され、第1項(u)[旧:ITA 1961 第47条(viiad)]は投資家レベルに適用される
- 4. 2. キャピタルゲイン課税
- 資本的資産の分類(2025年度予算/新ITA 2025):2026-27課税年度以降、カテゴリーIおよびIIのAIFが保有する有価証券は、法律上「資本的資産(Capital Assets)」として定義される。これにより、売却益は常にキャピタルゲインとして課税され、事業所得として扱われることはなく、セカンダリー取引における重大な訴訟リスクも解消される。
- 長期キャピタルゲイン(LTCG)課税:上場株式および株式指向型資産については、保有期間12か月超のLTCGに対して、税率12.5%で課税される(2024年度予算成立後)。なお、年間12.5万ルピーの控除が適用される。非上場有価証券および国内AIFのユニットについては、保有期間24か月超のLTCGも、インデックス調整なしで12.5%の税率が適用される。
- 短期キャピタルゲイン(STCG)課税:上場株式の保有期間が12か月以下のSTCGには20%の税率が適用される。非上場株式のSTCGおよび国内AIFのユニットについては、投資家の適用税率(slab rate)により課税される。
- 外国ファンドのユニット譲渡に係るキャピタルゲイン税は、間接譲渡規定の適用可否およびLPの居住国に基づく二重課税防止条約(DTAA)による救済の適用可能性によって決まる。
- 非上場債務性証券の再分類(ITA 2025第76条 [旧:ITA 1961第50AA条]、2024年7月23日以降適用):非上場の債券および社債の売却益は、保有期間にかかわらずすべて短期キャピタルゲイン(STCG)として課税される。SWFおよび年金ファンドは、本規定の適用が免除される。
- 4. 3. TDS(源泉徴収税)の義務[ITA 2025 第393条(旧:ITA 1961 第194LBB条)]
| 投資家の種類 | AIF分配金に対するTDS税率 |
| インド居住者の投資家 | AIFが分配する所得に対して10%の源泉徴収税(TDS)が課される |
| 非居住者/外国機関投資家(FII) | 原資産の所得種類(キャピタルゲイン税率/利息税率等)に応じた税率でTDSが適用される |
| DTAA適用対象の非居住者 | 有効な税務居住者証明書(TRC)およびForm 10Fを提出することにより、軽減税率が適用される |
| Sovereign Wealth Funds(SWFs) | ITA 2025第11条と付則V(表:番号7)に基づき、適格インフラ投資に対しては課税が免除される |
| 年金ファンド | ITA 2025第11条と付則V(表:番号7)に基づき、適格投資については同様に課税が免除される |
- 4. 4. セカンダリー取引における税務デュー・ディリジェンス
セカンダリー取引においてLP持分を取得する買主は、以下の事項を網羅する税務デュー・ディリジェンスを実施しなければなりません。
- 原資産であるポートフォリオ企業の設立年度(ヴィンテージ)および想定される利益の性質(STCG/LTCG)の判定
- ファンドレベルで未解決の税務関連請求・通知
- ポートフォリオ企業のいずれかがGAAR(一般租税回避否認規定)の手続き対象となっているか
- ポートフォリオ内の繰延税金負債、特に取得原価で計上され、評価が大幅に上昇した非上場資産
- 売却LPの源泉徴収税(TDS)クレジット残高。一部の仕組みにおいて、未払いのTDSが買主に税務上の負担を生じさせる可能性がある
- ポートフォリオ内のクロスボーダー取引における移転価格(Transfer Pricing)コンプライアンス
- 4. 5. 印紙税(Stamp Duty)
LP持分の移転に係る印紙税は、州および取引構造によって異なります。
- インド会社の非上場デマット株式の移転:取引対価の0.015%
- 非上場デマットAIFユニットの移転:取引対価の0.015%
- 信託形態のAIFにおけるLP持分の譲渡:信託証書/譲渡証書には、州によって異なる税率の印紙税が課される可能性がある(マハラシュトラ州では0.1〜3%の範囲。現在も変動があり、各州レベルでの分析が必要)
- 実務上の課題と市場ギャップ
ChrysCapitalのNSEコンティニュエーション・ビークルのような画期的な取引による勢いの増大にもかかわらず、インドのセカンダリーおよびコンティニュエーション・ファンド市場は依然として初期段階にあり、運用上の複雑さを抱えています。分散したLP基盤や発展途上の規制枠組み、限られた価格発見メカニズムのため、グローバル市場で部分的にしか解決されていない構造的摩擦が、インドではさらに顕著に現れます。AIF規則およびFEMAは法的基盤を提供していますが、GP主導のセカンダリーを前提として設計されたものではなく、解釈やガバナンス上の重要な空白が残されています。そのため、以下の課題には市場参加者および政策立案者の注目が必要です。
- 利益相反
GP主導のセカンダリーでは、GPは売却ファンドの受託者であると同時に、取得CVのプロモーターとして構造的に取引の双方に関わるため、利益相反が生じます。
- AIF規則は利益相反管理を義務付けるが、GP主導のセカンダリーに特化した標準化されたセーフ・ハーバー・プロトコルは規定されておらず、市場では現在、義務的な枠組みではなく、ベスト・エフォートの緩和措置としてLPACレビューや独立アドバイザーに依存している
- インドにおいては(米国SECの提案規則とは異なり)、CV取引に際してGPが完全に独立したフェアネス・オピニオン提供者を起用すること、あるいは「適格な独立審査者(qualified independent reviewer)」を正式に設置することを求める規制上の要件は存在しない
- 単一資産のCVでは、GPのキャリー・エコノミクスが新たなビークルで大幅に再構成される可能性があり、情報や交渉力を欠く既存LPの利益を犠牲にするリスクが高まる
- 価格設定およびバリュエーションの公正性
GP主導のセカンダリーにおけるバリュエーションは、本質的に非対称です。GPは資産に関する情報を支配しており、価格決定の結果に経済的利益を有しています。一方、LPは同じGPが大きく関与したNAVに基づき、ロールオーバーまたは現金化の意思決定を行わなければなりません。
- SEBIのバリュエーション・フレームワークでは、標準化された方法に基づく公正価値の算定が義務付けられているが、CV譲渡のために独立した第三者によるバリュエーションを必ず実施しなければならないという規定はない
- クロスボーダー構造では、FEMAの「フロア・シーリング」価格メカニズムが第二の、時に競合する価格規律の層を付加する。特に資産が非流動的または非上場の場合、FEMAで認められる公正価値は、セカンダリー市場で交渉される移転価格と乖離することがある
- インドには、グローバルなPreqinやGreenhillのセカンダリー価格調査に相当する市場データベースやベンチマーキング・インフラがなく、LPが提示されたNAVが真正な市場価格を正確に反映しているかどうかを独自に判断することは困難である
- LPの同意およびガバナンス
AIF規則第15条(1)(ea)は、関連会社への資産移転に際して投資額ベースで75%の投資家承認閾値を設定しており、意義のあるガバナンス上のチェック機能を果たしています。しかし、インドの多くのLPが受動的で分散しているため、実務上の執行には制約があります。
- コーパスの50%以上を保有し、かつCVの買主でもあるLPの議決権を除外することは、原則として適切な保護手段である。しかし、アンカー投資家への集中が大きいファンドでは、定足数および閾値の算定に実務上の困難が生じる可能性がある
- 多くのインドのファンドLP契約では、GP主導のセカンダリーに関する同意手続きの具体的な仕組み(通知期間、ロールオーバー判断のための情報権、みなし同意規定など)が十分に規定されておらず、LPは契約上の十分な保護を受けられない
- 規模の小さい国内LP[ファミリーオフィス、富裕層個人(HNI)]は、ロールオーバーとキャッシュアウトの経済的メリットを独自に評価するための法的・財務的知見を十分に持たず、標準化された情報開示規範によってもまだ解消されていない情報の非対称性が生じている
- 規制上の制約
AIF規則は一次ファンド(プライマリーファンド)構造を前提に設計されているため、GP主導のセカンダリーやCVの仕組みとは相容れない条項がいくつか含まれています。
- 規則第15条(1)(c)に基づく単一投資先25%集中規制は、インド本土に設立されたAIFによる単一資産型CVの活用を大幅に制約する。CVが単一資産を保有する場合、当該制約を軽減するためにCVをGIFT IFSCやオフショア法域に組成することが検討される
- ii. SEBIのAIF枠組みでは、CV専用の登録トラックが存在しないため、すべてのCVは新規AIFとして改めて登録する必要があり、重複するコンプライアンス費用や最低コーパス要件、PPM作成期間が生じ、構造的な非効率を招く
- iii. GIFT IFSCに所在地を置くCVは、税務上および構造上の有意義な優位性を提供する一方で、インド本土ファンドとの資産移転にはFEMAの全面的なコンプライアンスが求められ、こうしたクロスボーダーのグループ内移転の規制上の取り扱いは依然として解釈上不確実な領域である
- 市場の成熟度およびインフラギャップ
インドのセカンダリー市場は急速に成長していますが、依然として規模が小さく、関係性に大きく依存しています。価格形成における競争的緊張は乏しく、北米や欧州の成熟したセカンダリーエコシステムを支える機関投資家向けインフラも整備されていません。
- 買主の層は集中しており、一握りの専門セカンダリーファンドおよびファンドオブファンズのグローバルセカンダリー部門がディールフローを支配している。そのため、GPが真の価格発見につながる競争的なセカンダリープロセスを実施できる余地は限られている
- インドのAIFセカンダリー売却に特化した標準化されたセカンダリー取引文書、LP移転のひな型、または市場で認知された表明保証(representation and warranty)の枠組みが存在しない可能性があり、これにより長期化した個別交渉が生じ、取引コストや実行リスクが増大する
- インドAIFのLPベースは依然として国内投資家に大きく偏り、機関投資家の関与が限られている。積極的なセカンダリーポートフォリオ管理のマンデートを有する大規模かつ洗練された国内LP(米国の年金基金や大学基金に相当するもの)が不在であるため、LP主導のセカンダリー取引の供給サイドが制限され、市場の厚みが損なわれる
執筆者情報および免責事項
著者: Souvik Ganguly and Jagannathan M
調査担当: Deval Pandya and Srividya M S
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